【実体験レビュー】会社設立freeeで合同会社を設立!すべての手順や費用を解説

会社設立freeeを使って合同会社を設立しました。
会社を設立するには合同会社に限らず、株式会社の場合でも主に3つの方法があります。
- 自力で行う(諸経費と時間がかかる)
- 税理士に依頼する(数万円〜)
- 会社設立freeeを使う(簡単・¥0)
手間を考えると税理士に全て委託するのが一番簡単ですが、相当の報酬を支払わなければなりません。
自力で行う場合は一番節約できそうに思えますが、時間も手間もかかる上、諸経費もそれなりにかかります。
- 定款データの作成
- 会社代表者のマイナンバーカード
- Adobe Acrobat Reader DC(無料)
- 署名プラグイン「Signed PDF」(無料)または、Adobe Sign(12,080円/年)
- ICカードリーダー(¥2,000〜)
はじめて会社を作る人にとっては難儀です。
今回は、お金の節約と設立登記の方法を簡単に学べる機会と考え、会社設立freeeを利用することにしました。
先に会社設立freeeを使ってみた感想を述べておくと、めちゃめちゃ簡単にできました。
実際に使ってみるとわかりますが、会社を設立登記するのはこんなにも簡単なんだと思えるほどに。
税理士に依頼して高い報酬を払うのがバカらしく思えるほどです。
会社設立freeeは2015年からサービスを提供されていますが、これまで税理士に依頼するのが一般的だった常識を覆すサービスです。しかも利用料は¥0。
※電子定款認証のみ¥0または¥5,000の方法から選択します。
準備から登記完了までの時間と費用にポイント抑えながら、準備から設立登記、登記後の各役所への申請を説明していきます。
事前に購入しておくもの
会社設立freeeを利用する前に、時間がかかるものもあるので事前に準備・購入しておきましょう。
- 代表者個人の印鑑証明書(市役所などで実印登録が必要)
- 法人印鑑
- 2点セット(実印 + 会社印)
- 3点セット(実印 + 会社印 + 銀行印)
- CD-R(¥100程度)
※書き込むためのDVD/CDドライブ
印鑑にこだわりはなかったので、以下のような感じの¥3,000程でケース付きの3本セットを購入しました。
事前購入物のポイント
- 印鑑証明書を取得するには市役所などに実印登録が必要です。
個人の印鑑も持ってない人は購入する必要があります。
費用は登録、印鑑証明書の発行にそれぞれ¥300程度です。 - 法人印鑑は3本セットでケース付きのものを選びましょう。
最安がいい人はYahoo!ショッピングで¥2,980の印鑑セットがあります。
(上記の商品リンクから確認できると思います) - CD-Rは一般的な大きさのものです。厳密には規格が指定されていますが、一般的に売っているものであれば問題ありません。DVD-Rでも可。
100均より¥50円ほど高いですが、コンビニで売っているSONYなどのメーカーものがおすすめ。1枚だけ購入できます。
電子認証された定款をCD-Rに書き込んで法務局で提出しますが、書き込むにはDVD/CDドライブが必要です。
PCに付いていない人は数千円で購入できます。Buffalo製のものを持っていますがおすすめです。
1. アカウント作成
まずは会社設立freee用のアカウントを作成します。
アカウント作成はこちら
メールアドレスとパスワードと電話番号を入力すればすぐに作成できます。
注意点として、アカウントを作成した時間帯にもよりますが、数時間後から翌日以降にfreeeから電話がかかってきます。
「いつ設立予定ですか?」とか「会計ソフトはどこを使いますか?」など、必要なアドバイスをくれます。
定款認証には最大で5営業日ほどかかるため、会社設立日をいつにするか決めている人は注意してください。
お急ぎプランのようなものもあるので相談すると良いです。
2. 会社名や事業内容など定款作成情報を入力
項目に従って定款作成に必要な情報を入力します。
大きく分けて8項目あります。
- 会社の名称/商号
- 会社の住所
- 代表社員の名前・住所・生年月日
- 資本金
- 事業内容
- 決算期
- 公告の方法
- 連絡先
この中で悩むのが以下の3つだと思います。
- 事業内容
- 決算期
- 公告の方法
ポイントを解説していきます。
事業内容の書き方
基本的に、ここに書いた内容以外の事業は会社として行なってはいけません。
かといって何でもかんでも必要のないものまで書くと、何を主軸としている企業かわからず、銀行の法人口座の開設や融資、取引上での信用問題に関わる可能性があります。
書き方は自由のため何と書いたら良いか迷いますが、最後の項目に
前(各)号に付帯関連する一切の事業
と記載すれば万全です。
事業目的の書き方完全まとめ 許認可・融資etc.から考える、8つのルール
会社定款記載目的の見本・サンプル
決算期の決め方
決算期も自由に決めることができます。
大企業では年度末に合わせていることが多かったりしますが、年末や年度末など関係ありません。
逆に大企業と同じ年度末にすると、その時期に税理士の仕事が殺到してしまい、作業ミスが生じる可能性も高くなるようです。
決算期の決め方のポイントは2つです。
- 1年未満の最大期間とする
- 月末とする
例えば、会社設立日が「4月10日」の場合は、「4月1日〜翌年3月31日」を決算期とします。
1期目は「4月10日〜翌年3月31日」となります。
単純に時間と労力を避けるためであり、かつ、消費税の免税期間の2年も最大限活用できます。
法人の決算時期はどう決まる? 会計期間の公準とは | freee
公告の方法
公告の方法には3つあります。
- freee電子公告
- 電子公告
- 官報に掲載
合同会社の場合は公告の必要がないので、官報に掲載を選んでおくのがベストです。
電子公告を選択しても良いですが、ホームページを準備する必要があり、URLに変更があった場合には変更手続きが必要なため時間とお金がかかります。
3. 定款の電子認証を行う
定款の作成に必要な情報の入力の次は、専門家に電子認証を依頼します。
これも会社設立freeeの流れに従うだけなので簡単です。
定款の提出方法には、電子定款と紙定款の2通りありますが、
紙定款の場合、収入印紙代が4万円も必要です。
特に事情がなければ電子定款で専門家に認証してもらうことをお勧めします。
会社設立freeeでは、会計freeeを年額契約することで電子定款の¥5,000が無料になります。
契約しない場合は¥5,000で依頼します。
私の場合は、法人向け会計freeeを年額契約して無料で依頼しました。
他の会計クラウドサービスと比較して最大のポイントは、会計の知識が不要で使えることです。
3大クラウド会計サービス料金比較表
ミニマム | ベーシック | |
---|---|---|
freee | 23,760円/年 | 47,760円/年 |
マネーフォワード | 21,780円/年 | 32,780円/年 |
弥生 | 28,080円/年 | 32,400円/年 |
ちなみに会社設立サービスは、マネーフォワードも2018年9月3日にサービスを開始しています。
会計ソフトをマネーフォワードにしようと考えている方は、freeeではなくマネーフォワードにした方が良いでしょう。
こちらにリンクを貼っておきます。
定款認証依頼から完了までの時間
さて、1日でも早く会社を設立したいなか気になる所要時間ですが、依頼(入金または会計freee年額契約済み)から完了まで5営業日となります。
ちょっと時間がかかりますね。
ですが実際には、火曜日に依頼して、金曜日にメールで送られてきたので約3日で完了しました。
5営業日以内ではなく5営業日とされていたので驚きました。
また、お急ぎプランもあり¥5,000円の追加料金を支払うことで3営業日で対応してもらうこともできます。
(お急ぎプランと間違えたのか、5営業日以内ということだったのかは謎のままですが、早めが良かったのでラッキーでした!)
4. 法務局に登記書類を提出する
ついに登記設立の段階です。
これまでの書類をまとめて法務局に提出しに行きます。
(会社設立freeeでは住所から近くの法務局の場所が表示されるので便利です)
用意するものは以下の7種類です。
- 定款(CD-R)
- 登記書類
- 登記申請書(freeeでダウンロード)
- 登録免許税納付用台紙(freeeでダウンロード)
- 就任承諾書(freeeでダウンロード)
- 代表社員、本店所在地及び資本金決定書(freeeでダウンロード)
- 払込を証する書面(freeeでダウンロード)
- 印鑑証明書(市役所などで取得)
- 資本金の入金を証明する書類(ご自身でコピーして用意)
- OCR用紙(freeeでダウンロード)
- 印鑑(改印)届書(freeeでダウンロード)
- 現金:登録免許税(合同会社:6万円 / 株式会社:15万円)
- 会社印(丸型の実印)
- 実印(印鑑証明書と同じ発起人のもの)
1つずつポイントを抑えて解説します。
定款(CD-R)
専門家より認証を受けた定款をCD-Rに書き込みます。
普通のデータと同じようにPCに接続してドロップまたはダウンロードするだけです。
注意点として、Macの場合は法務局で読み取りができない場合があるのでWindowsで行なってください。
※私の場合、Macで書き込みしたものを提出しに行ったらデータが入っていないと言われました。これはフォーマットの問題だと思い、MacにParallelsという仮想環境アプリで構築したWindowsが入っていたので、このWindows上で書き込みしたら問題ありませんでした。
登記書類
7種類の書類をまとめてホッチキスで綴じます。
綴じ方は会社設立freeeで説明がありますので問題ないのですが、いまいち全部まとめて良いかわかりませんでした。
しかしこれら全部を一つにまとめて問題ありません。
ただし、OCR用紙は機械で読み込みので別にしてください。印鑑(改印)届書も別です。
印鑑証明書は市役所などで取得してください。¥300ほどかかります。
資本金の入金を証明する書類は、ネットバンクだと受理されない場合があるとの情報もありますが、私の場合は楽天銀行で問題ありませんでした。
取引履歴明細書という楽天銀行の印鑑などが入った書類をダウンロードできます。
※当日分の履歴は反映されませんので、前日までに資本金の入金を済ませてください。
OCR用紙
定款と一緒にCD-Rに入れて提出するパターンもありますが、freeeでは紙で提出します。
印鑑(改印)届書
会社の実印を登録する届書です。
現金:登録免許税
合同会社の場合は、最低6万円(3万円×2枚)の収入印紙を貼ります。
(先に書類に不備がないか確認してもらうように窓口に言いましたが、収入印紙を貼ってから確認しますとのことで、確認はしてもらえませんでした。)
会社印(丸型の実印)
丸型の印鑑が実印となります。
四角形の印鑑でないので注意してください。
何か訂正などがあったとき用です。
実印
取得した印鑑証明書と同じ、発起人のものを持っていきます。
何か訂正などがあったとき用です。
1点注意点として、登記書類の綴じ方や、印鑑を押す場所は、会社設立freeeで確認できますが、捨印については説明がありません。
捨印とは、書類に軽微な不備があっても法務局の方で修正可能とするもので、これを押していないと書類に不備があった場合、再度で出向いて訂正しに行かなければならず、手間がかかります。
freeeでは説明がありませんが、印鑑証明書と銀行の入金履歴以外の登記書類には右上あたりに会社の実印で捨印を押すことをお勧めします。
また、各ページの継ぎ目には、会社の実印を忘れずに押しましょう。(全ページに押します。)
5. 登記完了後の手続き
私のケースでは、設立登記書類を提出した翌日に電話で登記が完了したとの連絡を受けました。
窓口では、約9日後の予定だったのに翌日に完了です。
(驚きとともにまったくもって理解不能です。)
それはさておき、登記完了後は再度法務局に行きます。
印鑑カードの取得と、2種類の書類を取得します。
- 法務局
- 印鑑カード交付申請
- 印鑑証明書の取得:450円/1通
- 履歴事項全部証明書(登記事項証明書):600円/1通
- 印鑑カード交付申請
印鑑証明書は、銀行の法人口座開設に必要となります。
原本が必要な場合が多いので必要数取得します。
不要な方は必要ありませんが、印鑑カードだけは忘れずに取得しておきましょう。
履歴事項全部証明書もあわせて銀行の法人口座開設に原本が必要となります。
それとは別にこのあとの各所への書類提出で必要なので、最低1通は必ず取得します。(コピーで良いため最低1通)
取得できたらコンビニなどに寄って、3通コピー(合計¥30)を取っておきましょう。
5-1. 税務署
まずは税務署に行きます。
場所は会社設立freeeで表示されています。
下記の必要書類も会社設立freeeで用意されているのでダウンロードするだけです。
提出書類
-
法人設立届出書
-
株主名簿
-
設立時の貸借対照表
-
青色申告承認申請書
-
給与支払事務所等の開設届出書
-
源泉徴収の納期の特例の承認に関する申請書
-
定款のコピー
-
履歴事項全部証明書のコピー
「定款のコピー」と「履歴事項全部証明書のコピー」の提出が必要になので準備しておきましょう。
5-2. 都道府県税事務所
次は都道府県税事務所に行きます。
この場所も会社設立freeeで表示されており、税務所から近い場所にありました。
書類は会社設立freeeでダウンロードできますが、内容は記載されていないので窓口でもらいました。
記載する内容は、先のダウンロードした法人設立届出書と同じように記入すれば良いので難しくありません。
必要書類は以下の通りで、ここでも「定款のコピー」と「履歴事項全部証明書のコピー」の提出が必要になるので準備しておきましょう。
提出書類
-
法人設立届出書
-
定款のコピー
-
履歴事項全部証明書のコピー
5-3. 市区町村役場(市役所などのこと)
最後に市区町村役場に行きます。
この場所も会社設立freeeで表示されます。
書類は都道府県税事務所の場合と同様で、窓口でもらい、「定款のコピー」と「履歴事項全部証明書のコピー」と一緒に提出します。
提出書類
-
法人設立届出書
-
定款のコピー
-
履歴事項全部証明書のコピー
5-4. 役員報酬や雇用をする場合
今回私の場合は不要でしたが、役員報酬を出したり、雇用をして源泉徴収や社会保険等に加入しなければならない場合は下記の場所にも行く必要があります。
本記事での説明は省きますので会社設立freeeを参考に、必要な手続きを行なってください。
- 労働基準監督署:労働保険関係の届出
- 年金事務所:社会保険の加入手続き[健康保険,介護保険,厚生年金保険]
以上で、登記設立から設立後の手続きはすべて完了です。
おつかれさまでした。
合同会社設立までにかかる最短時間と総費用まとめ
最後に、合同会社の登記設立までにかかる最短時間(日数)と総費用をまとめます。
最低時間(日数)
- 1日目:定款認証依頼
- 3〜5日目:定款認証完了
- 5〜6日目:登記設立書類の提出
- 7日目:登記後の手続き
順調に準備できても、最短でざっと7日間です。
定款認証も役所も平日のみ稼働なので、5営業日であることを考えると約2週間近くはかかると見積もっておいた方が良いです。
総費用
すでに所有している備品や購入するものによって変わりますが今回の一例をまとめます。
- 書類準備
- ¥300:印鑑証明書
- ¥2,980:法人印鑑3本セット
- ¥140:CD-R
- ¥23,760:会計freeeミニマムプラン/年額
- ¥0:定款認証代行手数料
- ¥160:登記書類の印刷代(ネットプリント ¥20/1枚)
- 登記費用
- ¥60,000:登録免許税
- 登記後
- ¥450:印鑑証明書(1通)
- ¥600:履歴事項全部証明書(1通)
- ¥30:履歴事項全部証明書のコピー代(コンビニ ¥10/1枚)
- ¥80:定款の印刷代(ネットプリント ¥20/1枚)
- ¥120:定款のコピー代(コンビニ ¥10/1枚)
- ¥60:税務署提出書類の印刷代(ネットプリント ¥20/1枚)
まとめると、
準備で¥27,340、登記に¥60,000、登記後に¥1,340
合計 ¥88,680かかりました。
今回は会計freeeも年額契約しているので少し費用は高くなりましたが、登記の登録免許税¥60,000を除けば、その他の諸経費は数千円しかかからない事がわかると思います。
また、これらの経費は設立準備金として計上する事ができるので、領収書はきちんと保管しておきましょう。
これから会社設立を考えている人は、登記完了までに2週間近くかかるということに注意して準備を進めてください。
会社設立freeeは無料でアカウントを作成して試してみる事ができるので、まずはアカウント作成して内容を実際に確認してみることをおすすめします。